タタルスタン共和国の首都カザンで開催されたThe Kazan International Investment Forum 2009に行ってきました。朝から夕方まで、自動車産業や金融セクターといったテーマで話しをするというものでした。テーマが多く、かつ、各テーマのスピーカーも多く、どのテーマも時間を気にしながら駆け足で終わってしまったような感じでした。もっとも、下準備で、タタルスタン共和国の銀行や金融セクターを調べ、それは興味深かったです。そもそも、タタルスタン共和国がどこにあるかも知らず地図を広げるところから始め、地元銀行、それらの危機管理状況、バランスシート管理、不良債権やリテール金融等といった、どこでどう調べるのかと思うようなマニアックな事項まで。
一点、面白かった話題があります。何度か、タタルスタン共和国の経済成長が語られる時にシンガポールが引き合いに出され、金融セクターがテーマの際も、モデレーターの人が各スピーカーに、「金融セクターでもシンガポールと比較できますかね」と意地悪な質問をしました。スピーカーの方々は、いろいろ困りながら答え、最後は苦し紛れに「Why not?」と締めていました。2009年9月に発表されたThe Global Financial Centres Indexによれば、ロンドン、ニューヨーク・シティや香港に続く国際金融センターとされるシンガポールと比較するとは。ちなみに、このインデックスによれば、モスクワですら75都市中67位です(モスクワは、2025年までにトップ5に入る国際金融センターになると宣言していますが)。今週から、とある英系法律事務所でインターンを始めました(午前は語学学校に)。
インターン先として二つの法律事務所で面接を受けましたが、どちらでも、Japanese lawyer「Bengoshi」かと聞かれました。面接は英語で、面接者は日本語を知らない方々でしたが、「Bengoshi」という日本語の単語は知っていました。「Bengoshi」も「Karaoke」のように、英語の辞書に載る日が来るのでしょうか!?
ところで、ロシアでは、民事法律事務の扱いに弁護士資格は必要ないと書きましたが、面接でも、この点が話題になり、法律サービスの質に関し、「資格剥奪」という制裁が採れない点も問題だと指摘されていました。
ロシアの弁護士・法律家事情:http://kie.blogsome.com/2009/05/25/p396/
東京から遊びに来た同業の友人とフラフラと散歩をしている際に見つけ、悲しいかな、二人でパシャパシャと写真を撮ってしまいました。
最高裁判所の建物です。
「ロシア最高裁判所」と記載されています。
ペテルブルグにあるロシア憲法裁判所:http://kie.blogsome.com/2009/05/15/constitutional-court/
カザフスタンの最高裁判所:http://kie.blogsome.com/2008/09/15/kazakhstan-15-20-september/
ウズベキスタンやタジキスタンの最高経済裁判所等:http://kie.blogsome.com/2007/09/30/economic-disputes-in-cis/«Jurist», «Paralegal» in Russia
「企業家利益の保護」講義(http://kie.blogsome.com/2009/05/23/p394/)で、特に驚いた点と少し驚いた点。
1 「Юрист ユリスト」とは。以前、ユリストとは、弁護士資格はないが法学教育を受けた者と説明してしまいましたが(http://kie.blogsome.com/2007/04/27/lawyers-in-uzbekistan/)、訂正します。法学教育を受けているか否かは関係なく、とにかく「法的サービスに従事する人」とのことです。もちろん、大半は法学教育を受けていると思いますが、受けていない人もいるそうです。ロシアでは民事の法律事務に従事するにも訴訟を代理するにも弁護士資格(адвокат)が要求されないため、法学教育を受けていないユリストが訴訟に出てきて、相手方代理人が「裁判官、彼は法律を勉強していないからこういう得体の知れない主張をするんですよ」といった言い争いもあるそうです。
ところで、法的サービスの質に問題はないのかと聞いたところ、依頼者が質のいいユリストを選べばいいだけ、とのことで、「今のところ」規制する動きはない、とのことです。
2 「Помощник」とは。英語では「Paralegal」と訳されているようですが、日本人の私が思い浮かべるパラリーガルとは異なるようです。ユリストとの相違が不明ですが、ユリスト見習いのようなもので、後にユリストとして働くそうです。大学院生の中には、大学卒業直後から「ユリスト」として働いている学生もいれば、学生故にフル・タイムでは働けないので「パラリーガル」としてある外資法律事務所で働いている学生もいました。«Protection of entrepreneurs’ interests»
最後の最後まで、何の授業だったのか明確に説明できない授業がありました。予習も復習も難しく、出席しているのも苦痛で、しかし、出席しないという選択も難しかった授業(私はVisitingScholarということで授業登録もなく、どの授業に出るか出ないかは全く自由なのですが)、それは大学院1年生の選択講義の一つ「企業家利益の保護」です。
春学期はどの講座・学科(кафедра)にも手続法の授業がなく、「企業家利益の保護」講義の中で執行や訴訟の話が出てくるのではないかと思い、とりあえず、初回の授業に参加してみました。初回は、ロシアでは誰が法的サービスに従事するかという話で、講義の目的や全体像が理解できなかったので、第二回も出席してみたところ、初回は30名以上いた学生が10名未満になっていました。10名にも満たない出席者の中で外国人の私は明らかに目立ち、いきなり教授に「日本について話してください。」と指名されてしまいました。ロシア語能力の問題もありましたが、それ以上に、講義目的を把握していなかったので、日本の何について話せばいいのか皆目見当もつかず、咄嗟に「後日にしてください。」と答え、そして、何の講義なのかを理解するために出席し続けることになりました。
出席するのが苦痛なのは、毎回、出席者が4・5名程の中、教授が、度々、本筋ではない話題で日本はどう?と私に話しを振ってくるからです。「日本の付加価値税率は」という質問はまだいいとしても、「日本には法的格言はあるか」といった質問まで出てきました。日本に「法的格言」ってあるのでしょうか。
今更、教授に何の講義なのか質問するわけにもいかず、他の生徒に聞いてみたところ、「企業家利益の保護に従事している人・機関」についての講義とのことでした。実際は、教授自身が弁護士(адвокат)としても働いていることもあり、実務経験談が多く、また、大手法律事務所の法律家(юрист)が招かれ自身の仕事を話す回もありました。大学院1年生向けの講義としてはいささか違和感を覚えましたが、ロシアの法律サービス業の実情を知ることができる時もあり、私には興味深かったです(http://kie.blogsome.com/2009/05/25/p396/)。
結局、この選択講義には6名が登録したようです。大学院1年には150名程が在籍し、選択講義の一番人気は「国際仲裁」で、100名程が登録していました。院1年の学生の名前をざっと見たところ、父称のない生徒(おそらくCIS諸国外からの生徒)は1名だけでした。
院の講義:http://kie.blogsome.com/2009/03/08/lectures-at-law-faculty/
憲法裁判所で行われた民法改正コンセプトについての協議を聞いてきました。当初、聴講希望者多数ということで聴講は不可能と言われましたが、前日の夕方6時に大学から電話があり、聴講できることになったから明日10時ちょっと前に憲法裁判所に行って、とだけ伝えられ、10時から何時までなのか、具体的には何が協議されるのかわからないまま行ってきました。協議には、ペテルブルグ大学の教授が多く参加し、特定のテーマにつき協議をするというよりも、それぞれ、改正コンセプトに取り上げられている問題点につきさらに考慮するべき点や再考すべき点を指摘してゆくという形で進み3時半過ぎに終了しました。
民法改正:http://kie.blogsome.com/2009/04/16/


The term of bankruptcy proceedings
ウズベキスタンの通常の破産手続の期間は1年ですが、実際は1年で終了することがないと聞き、改正しないのかと質問したところ、1年で終了することが望ましいという回答がありました。いくら望ましくとも、実現可能性のない定め故に、実務が法律とかけ離れたまま、ないし、法律が実務とかけ離れたまま、ということでいいのだろうかとも思いましたが、この時は、ロシアの倒産法が破産手続を1年としていることに引きずられているのかと納得していました。
そのロシアの破産手続の期間が、2008年12月末の改正により1年から6ヶ月に短縮されました(124条)。銀行の破産手続は1年のままです(信用機関倒産法50.16条。http://kie.blogsome.com/2009/02/04/repay-in-full-in-any-case/で、延長を繰り返している銀行の破産事件に触れましたが、法律は延長一回のみを予定しているとのことです)。破産手続には、最長で7ヶ月の監視手続が先行し、その間に債権者も大体把握されますが、財産売却は破産手続が開始してから行われるので、競売手続による売却が6ヶ月で終わるのだろうかと疑問に思ったところ、やはり、実際には、延長されることが多いようです。この改正点が講義で取り上げられた時、延長事由の明確化等、期間延長が話題でした。頻繁に延長されるのであれば、期間が短縮されたことや、そもそも期間を設けることに異論はないのだろうかと思っていましたが、期間を設定する理由がなんとなくわかりました。なんとなくですが。
倒産事件は訴訟(исковое производство)ではありませんが、商事手続法(Арбитражный процессуальный кодекс)も適用され、訴訟と同じ構造を維持していることに理由があるように思いました。倒産事件では、債務者を倒産者と認定してくれという申立てが出され、裁判所は、この申立てを審理し認容する場合(この審理期日までの期間、債務者は保全にふされ、つまり、監視手続が実施されます)、債務者を倒産者と認定し、破産手続を開始する裁判を出します。ロシア語では、この裁判は訴訟における判決(решение、本案についての判断)と同じです。そこで、破産手続は、債務者を倒産者と認定した判決を執行する手続ということになります。第三者が債務を弁済した故に倒産事件が打ち切られる場合、債務者を倒産者と認定し破産手続を開始する裁判(判決)はそれ以上執行されないという定めがあるのも(149条)、おそらくこのような考えに基づくものと思います。執行手続では、手続開始から2ヶ月又は特定の期間内に執行されなければならないので、債務者の倒産認定・破産手続開始の判決も一定の期間内に執行されなければならない、そして、その期間は6ヶ月が「望ましい」と判断されたようです。何故、6ヶ月が望ましいのかは、わかりません。
倒産法改正:http://kie.blogsome.com/2009/03/19/laws-of-russia-and-central-asian-countries-in-japanese/倒産法改正:http://kie.blogsome.com/2009/04/10/amendments-to-bankruptcy-law/
Increasing number of bankruptcies
これも社会文化の相違か、と思った出来事です(http://kie.blogsome.com/2009/02/04/repay-in-full-in-any-case/)。
倒産事件に関する最高商事裁判所(最高仲裁裁判所)所長の会見がニュースになっていました。この金融不況の影響で、倒産事件は3割から4割増加するだろうとのことでした。さらに、倒産に関する問題点にも触れ、問題は、倒産法の法規のみならずその執行にもあると指摘したようです。この点につき、教授が、確かに再建型手続で、2、3年でようやく債権の1割が弁済される事件もあり倒産法は機能していないと言われても仕方ないだろう、もちろん、銀行債権なら1割でも額としては大きいのだろうが、というような趣旨の発言をしていました。2年、3年で元々の銀行債権の1割が弁済されるというのは悪くない結果のように思いましたが、ロシア倒産法は、再建型手続においては、債権減額なく2年程度で全額弁済を定めているので、この実情は法律の予定するものではないのでしょう。
金融不況と倒産事件の増加について、2月に、とある銀行のトップも、2009年・2010年に100以上のロシアの銀行が倒産するだろうという予想を立てていました。まだ、そんなに沢山銀行があるのか、そして、100以上倒産してもまだいくつか銀行が残るのかと少し驚きました(*)。ウズベキスタンには、住んでいた2007年頃、国営銀行の他、商業銀行は28ありました。倒産法の注釈書を配るため、タシュケントにあった店舗は全て回ってみましたが、ここが銀行なのか(何とか入口を見つけて)、何かの老人ロータリークラブに間違えて来ちゃったかしら(法務部だという所に通され)、というケダルイ雰囲気のところもあり、現在、いくつの銀行が残っているのだろうか、とふとウズベキスタンを思い出しました。
*2008年末で、1200行以上あるそうです(http://kie.blogsome.com/2009/10/04/russian-banks/)
ロシア民法は、CISモデル民法を参考にしているということに触れましたが(http://kie.blogsome.com/2008/06/30/)、現在、民法第一部の改正作業が進められています。5つの改正コンセプト(総則、法人、物権法、債権法、証券・金融取引)が公開され、4月中旬に当該コンセプトにつき、第1回及び第2回協議がもたれたそうです。根本的な改正ではなく、更なる発展・調整だと言われていますが、コンセプトに挙げられた改正ポイントの数は決して少なくないように思います。
ロシア民法は4部から成り、最新の第四部は2006年に制定されましたが(2008年1月1日施行)、第一部は1994年に制定されています。1994年といえば、まだ、ソ連崩壊の混乱が残っていた時期と思われますが、そのような中、市場経済に対応した民事法令の基礎を早急に築くべく、CISモデル民法、ロシア民法やCIS諸国民法が西欧諸国の協力を得て起草されました(カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスタンの民法もCISモデル民法に依っています)。
ロシアでは、それから10年程経った2004年頃から、民法第一部の改正が検討されていたそうですが、2008年7月に大統領令が出され、本格的に民法改正が始まりました。大統領令には、改正目的が6つ挙げられていますが、その中にEU法制における民事法令との調和、そして、CIS諸国の民事法令の統一促進が含まれています。コンセプトの中では、ECの法規が引用されたり、また、ドイツ、オーストリア、オランダの民法が意識されているようですが、CIS諸国の民法の関係では、どのように統一促進が進められるのか興味深いです。改正民法を他のCIS諸国に宣伝するのでしょうか。
憲法裁判所でも協議:http://kie.blogsome.com/2009/05/15/constitutional-court/
ところで、ロシアでも商法典案が用意されており(国会には提出されておらず案のまま寝かされているようです)、また、IPAでもCIS諸国向けのモデル商法典(Торговый кодекс)が起草されているようなので、今回の民法改正は、この点も踏まえたものかと思いましたが、協議では、企業活動に関しては民法の規定だけでは不十分である旨指摘はされたものの、商法典は話題に上っていないとのことです。2008年12月30日に倒産法が改正され(翌日の31日に公布され施行、http://kie.blogsome.com/2009/03/19/)、特に「おお、これはっ!」と思った改正点があります。ウズベキスタン倒産法の注釈書作成の際、同法の条文自体や、条文とウズベク側参加者の解説が噛み合っておらずよくわからないので、分厚いロシア法注釈書も和訳し日本側参加者はロシア法までも検討しましたが、これもその1つです。それは、ウズベキスタン法では規定されていないものの、ロシア法の内容で所与のものとして語られる、倒産手続に拘束されない債権です(「共益費債権」という訳があてられています。後にロシア法の定義がそのままウズベキスタンの最高経済裁判所総会決議に規定されました)。手続構造が日本とは異なるのでわかりにくいですが、事件開始後に発生した債権、及び、各手続の開始後に履行期が到来した債権が、その倒産手続において手続に拘束されない債権となります。例えば、倒産事件の始まりに適用される監視手続においては、事件開始前に発生した債権であっても監視手続開始後に履行期が到来した債権は、手続に拘束されず履行期の到来時に弁済されます(何らかの理由で期日に弁済されずに、次の倒産手続が始まってしまった場合、次の倒産手続においては当該債権は手続拘束債権とされるようです)。しかし、ロシア法においては、今回の改正で、手続に拘束されるかされないかは、債権の発生が倒産事件の開始の前後かのみで区別されるようになりました。したがって、例えの債権は、監視手続から、手続に拘束される債権となります。
倒産事件の構造:http://kie.blogsome.com/2007/02/19/
日本人にもわかりやすくなり、すっきりした、と思いましたが、代わりに、あんなにロシア法の定義にこだわった、ウズベキスタン法の共益費債権はどうなるのだろうという気掛かりがでてきました。 まさか、同じように改正するということが起こるのだろうか、と。
そして、すっきりしたと思ったのは私だけ?、という出来事も大学院の倒産法セミナーでありました。セミナーで、「債権が発生した時」というのは、契約締結時ではなく、履行期の到来時だという話が出てきたのです(目的物が納入された時点だという人もいましたが)。倒産事件の開始前に発生した債権は、開始時点で履行期が到来したとみなされるという条項(63条3項)も挿入されて、当然、契約締結が事件開始の前後かが基準だろうと思っていたのですが、そのように考えていたのは一人の学生だけでした。彼女が食い下がり、最後に上記条項を見つけ指摘したところ、教授以下「そうかもしれない、考えてみる」ということでセミナーは終了しました。条文からしたら履行期の到来が基準になることはありえず、改正されて3ヶ月も経つのに、「考えてみる」でお開きになり、すっきりしませんでした。
その他の改正:http://kie.blogsome.com/2009/05/01/the-term-of-bankruptcy-proceedings/
大学の授業でКорпорация (Corporation国家コーポレーション)の指摘を受けた時(http://kie.blogsome.com/2009/03/22/)、ふと、昨年の中央アジアセミナーで(http://kie.blogsome.com/2008/12/01/)、カザフスタンからの参加者が、「Предприятие (Enterprise、企業)」と言えば国家企業を示すので、株式会社も含めた一般会社のことに言及する際に使用するのは避けた方がいいと話していたことを思い出しました。
このカザフスタンの方が言及した国家企業(Государственное предприяние, State enterprise)は、ロシアでは国家単一企業体・自治体単一企業体(Государственное унитарное предприятие и муниципалное унитарное предприятие, State unitary enterprise, municipal unitary enterprise)と、ウズベキスタンでは単一企業体(Унитарное предприятие Unitary enterprise)と称して存在する企業形態です(ロシアのロステクノロギー等も「国家企業」と言われることもありますが、こちらは、国家コーポレーションという別物です)。企業活動のための財産の所有権は企業の設立者(国や自治体)が有し、それらの財産は経営管理権又は運用管理権に基づき企業に属する、財産は不可分であるとされています。国有財産や自治体所有財産を利用して事業を展開している企業です。ロシアの単一企業体法(Закон о государственных и муниципалных унитарных предприятиях)の和訳が法務省サイトにあるので、詳細はそちらを参考のこと(http://kie.blogsome.com/2009/03/19/)。ちなみに、カザフスタンには国家企業法(Закон о государственном предприятии)がありますが、ウズベキスタンには単一企業体法といった法律はなく、民法にのみ規定されています。
もっとも、「Предприятие (Enterprise)」というロシア語が国家企業を意味するというのは、カザフスタンに限られた話のように思います。ウクライナでは、商法(Хозяйственный Кодекс)によると、Предприятие (Enterprise)は、企業活動を行う主体を示し、Частное предприятие(Private enterprise、私企業)もГосударственное предприяние(State enterprise、国家企業)も含む上位概念です。
ウズベキスタンでは、Частное предприятие(Private enterprise、私的な個人企業又は一人企業)という形態の法人が存在します。この法人形態は、現行民法(1996年成立)では明確に定められておらず、2003年成立の個人企業法(Закон о частном предприятии)により規制されています。同法は「個人企業とは,一人の自然人所有者により設立され経営される営利団体」と定義しており、倒産法注釈書には「私的な単一企業体」という表現でも言及されていました。したがって、個人は、法人を形成せずに個人事業者として登記する他、この個人企業を設立して法人として事業を営むことができます。2003年に新たに導入された企業形態かと思っていましたが、下のロシアの事情を勘案すると、2003年に「復活」した形態なのかとも思いました(ロシアの民法もウズベキスタンの民法も、CISモデル民法典に依拠して策定されているため、似ています。CISモデル法:http://kie.blogsome.com/2008/06/30/)。
ロシアには、Частное предприятие(Private enterprise)という法人形態はありませんが、街中の看板に「Индивидуальное частное предприятие(Individual private enterprise)」という表現を見ることがあります。この形態は、1994年の現行民法の成立により廃止されました。現在は、民法の定める法人形態に組織変更されているはずですが、まだ、この言葉を使っている人も多いとのことです。
多くの旧ソ連の国々の法令はロシア語で入手できるので便利なようにも思いますが、同じような概念に用いるロシア語が異なったり、あるロシア語が異なる意味を含んでいたり、混乱・誤解の元にもなっているようにも感じます。
「倒産」「破産」というロシア語:http://kie.blogsome.com/2007/01/15
「会社」というロシア語:http://kie.blogsome.com/2007/05/29/先般、とある授業で日本の株式会社等を含めた会社のことを「Корпорация (Corporationコーポレーション)」と訳して話したら、ロシアで「Корпорация (Corporation)」と言ったら「国家企業 государственная корпорация, state corporation」を意味するので注意した方がいいというような指摘を受けました(*)。諸々紛らわしいので、以下、「国家コーポレーション」と言います。
「国家コーポレーション」は、民法に規定されている会社(хозяйственные общества и товорищества)とも国家単一企業・自治体単一企業(государственные и муниципалные унитарные предприятия)とも異なる法人形態です。民法には「国家コーポレーション」という用語は出てきません。株式会社法や単一企業法のような「国家コーポレーション法」も存在しません。
国家コーポレーションは個別の法律により設立されますが、その根拠は「非営利団体法(Закон о некоммерческих организациях」にあります。1999年に挿入された7.1条「国家コーポレーション」です。この規定は、1999年、信用機関の再編のための機関を既存の法制度に依らない柔軟な構造のものとして設立するために追加されただけあって、設立を定める法律がどうとでもできるようになっています。
国家コーポレーション第二号となる「預金保険機関(Агентство по страхованию вкладов)」は2003年に設立されました(第一号の上記機関は2004年に清算)。続く第三号以下は2007年に雨後の筍の如く現れました。日本でも有名な「ロスアトム(Росатом)」や「ロステクノロギー(Ростехнологии)」がその例です。これらの国家コーポレーションは、こちらの新聞に出てこない日はないくらい活躍していますが、この前までは、昨今の不況で、国がこれらの国家コーポレーションに対し、拠出した財産を戻すよう交渉しているという記事が多く出ていました(国家単一企業・自治体単一企業とは異なり、国が拠出した財産の所有権は国家コーポレーションに移り、「国有財産」としての管理からは離れます)。
預金保険機関:http://kie.blogsome.com/2009/02/04/repay-in-full-in-any-case/
*もっとも、2009年3月に出された民法改正コンセプト(法人)では、株式会社等のいわゆる会社や非営利団体といった「出資・参加」形態の団体をКопорация(Corporation)に分類し、単一企業や基金と区別していました。
Laws of Russia and Central Asian countries in Japanese
やっと、法務省法務総合研究所のサイトに、中央アジア諸国やロシアのいくつかの法令和訳が掲載されるようになりました。が、ここらの地域は法令が頻繁に改正されるため、おそらく、掲載法令は全て何らかの改正がされているものと思われます。掲載されている法令で大きな改正があり特に注意が必要なのは、カザフスタン倒産法、ロシアの担保法と倒産法です。
法総研の外国法令和訳サイト:http://www.moj.go.jp/HOUSO/houkoku/uzbekistan.html#gaikokuhoureiwayak
なんとか改正部分を辿ることができる無料カザフスタン法令サイト(ロシア語):http://www.pavlodar.com/zakon/
改正部分が見つけやすく、かつ、改正前との比較も容易な無料ロシア法令サイト(ロシア語):http://www.consultant.ru/popular/
改正部分がわかりやすく、英訳されている法令もあるロシア法令サイト(ロシア語):http://www.garant.ru/law/ (英語の案内)http://www.garant.ru/english/
カザフスタンの株式会社法・有限責任会社法も最近改正があったようですが、まだ上記法令サイトに反映されていないようです。ロシア法については、特に、2008年12月30日付で企業法制と担保法制の改正に関して4本もの連邦法律が出されました。変更だけでなく追加も多いので完全に翻訳の努力が水の泡になってしまうわけではないでしょうが、それでもショックです。
1)連邦法第296号:倒産法について、管財人制度、第三者による弁済の制度、債権者の地位の整理等の改正
2)連邦法第306号:担保財産に対する執行手続に関する、民法、担保法、抵当法、執行法、不動産取引国家登記法、倒産法等の改正
3)連邦法第312号(2009年7月1日施行):有限責任会社に関する、民法、有限責任会社法、法人等国家登記法の改正
4)連邦法第315号:企業の再編に関する、民法、銀行・銀行業務法、株式会社法、法人等国家登記法の改正
*CIS諸国では、破産や事業再建に関する法律は、基本的には、「倒産法」という法律が一つです。一方、会社に関する法律は、株式会社法、有限責任会社法というように形態毎に個別の法律が存在します。担保に関しては、民法の他に、担保法もあり、抵当(不動産担保)については、更に抵当法も適用されます(キルギスタンは、2005年の担保法改正で、抵当法が廃止され担保法に一本化されました)。
*倒産法改正:http://kie.blogsome.com/2009/04/10/amendments-to-bankruptcy-law/
サンクトペテルブルグ国立大学の法学部は、公法・行政法講座、民事法講座、民事訴訟講座、商事法講座、国際法講座、刑事法講座、刑事訴訟講座、労働法講座等々の10のкафедра(講座・学科)に分かれています。院の昼クラスは11あり、大体、所属講座でクラスも分かれるようです。日本やアメリカ等々の大学院のカリキュラムを知りませんが、イギリスの院と比較すると受講講義の選択の幅が狭いと感じました。
院一年目は、火曜と土曜に朝から晩まで講義が詰まっています。時間割は所属クラスにより異なりますが、火曜午後はどこのクラスも同じカリキュラムで、午後に、①選択講義(国際商事仲裁、法社会学、企業家権利の保護、電気エネルギー業界における有価証券、法的テクニック(?))、②必修講義(EU法)、③必修講義(法的責任)が入っています。土曜日は、クラス毎に講義が決められています。例えば、商事法講座のクラスだと、上記の講義の他、火曜の夜に倒産法、土曜に銀行法と保険法です。環境法的保護講座では、火曜の夜に自然利用分野における責任の法的規制、土曜に森林法と開発地の法制度です。エネルギー専門クラスとでも言えるクラスがあり、そこでは、火曜の朝に電気エネルギー分野における対外経済活動、土曜に電気エネルギー分野における財産複合体、そして電気エネルギー企業におけるコーポレートガバナンスの講義があります。院二年目は選択講義がないようで、どのクラスも、水曜日も土曜日も、①現代ロシアにおける行政権、②自然利用の法的規制、③契約法、④所有権及び所有権保護の4つの講義が入っています。
カリキュラム内容をみて、天然資源に関する講義が多いことに、ロシアだなあと感じました。そして、どの講座に所属してもEU法を勉強しなくてはいけないという点も興味深いです。
大学は9月から始まっており、途中参加の私は正規の学生ではなく今学期のみのстажёр(スタジョール、研究生とでも言うのでしょうか)で、一応、商事法講座に所属していますが、どの講座の講義でも学部の講義でも院の講義でも、好きな講義を受けることができます。要は、大学建物に入るためのカードを渡され、勝手に好きな講義に行けば、と言われたということです。来年度正式に院に入るか否か考えていましたが、このカリキュラムだと、一年目、例えば、不動産に関する取引(民事法講座クラス)、執行手続(民事訴訟講座クラス)、労働関係法(労働法講座クラス)、倒産法(商事法講座クラス)といった選択はできないようなので、院構想は再考中です。
法学部の建物:http://kie.blogsome.com/2009/02/20/Law Faculty of Sankt Petersbourg State Univeristy
この2月からは、サンクトペテルブルグ国立大学の法学部の院の授業に出ています。
ペテルブルグ大学の主要建物は、エルミタージュ美術館がよく見えるヴァシリエフスキー島の先端に集まっていますが、法学部は、もう少し島の中にあります。写真では、5階建てのあまり大きくない白い建物です。周囲にあまり店がなく、大通りに出るとカフェが3つほどありますが、スーパーやミニマーケットはありません。
法学部の建物に入ると、受付の向いに屏風状にパネルが立てられており、有名な卒業生の写真が飾られています。もちろん、目立つように飾られている写真は、現大統領と現首相のものです。1階はカフェ、書店、事務室等々、3階は図書室、その他は講義室です。地下にクロークがあり、また、本も所蔵されているようです。
当初、クロークがあるのか!と驚きましたが、図書室にはコートを持ちこめず、図書室の入口で鞄も預けないといけませんが、そこではコートを預かってくれないので、やむを得ず地下のクロークを利用します。鞄を置く個々の戸棚はコートも十分収納できる大きさじゃないか、と思いつつも。廊下の出窓によくコートが放り出されているのを見かけますが、クロークに行く面倒を省いた生徒のものと推測できます。
講義:http://kie.blogsome.com/2009/03/08/lectures-at-law-faculty/
ロシアに来る飛行機の中で読んだ新聞に(2009年1月28日付「Коммерсантъ」)、これが社会文化の違いなのかな、と思った記事がありました。破産手続中のロシアのとある銀行の前経営者に対し、破産管財人が、倒産に至らしめたことを理由として銀行債務についての責任を追及していたところ、第一審では認められたものの控訴審では第一審判決が取り消された、という記事です。
ん?と思ったのは、「これにより、銀行の債務は誰も負わないことになる、専門家の考えによれば、この問題を解決するために近々にも法令改正が必要」といった内容の部分です。(銀行)経営に責任を持たせなければならない、という意味もあるのでしょうが、倒産しても債務は全額弁済されるもの、という考えが根底にあるようにも感じました。全額返済できないから破綻したんだろうにとも思いましたが、再建するなら当然全額弁済、清算するにしても全額弁済、と、やはり、貸したものは全て返されなければならない、ということなのでしょう。
ウズベキスタンでも全額弁済:http://kie.blogsome.com/2007/02/19/bankruptcy-case/
この銀行(Акционерный Коммерческий Банк «Союзобщемашбанк»)の破産手続は、2005年3月に開始されましたが、延長に延長を重ね今も続いているようです(これまで6ヶ月の延長決定が6ヶ月毎に出され、2009年3月3日までの延長決定は確認できました。銀行の倒産に関する法律には、破産手続の期間は1年、6ヶ月以下の期間で延長できるとありますが、これは、一回の延長は6ヶ月まで、でも、延長は何回でもOKということだったのか)。
個人預金を扱っていた銀行なので、破産管財人の任は国家企業の「預金保険機関」(государственная корпорация «Агентство по страхованию вкладов»)が務めていますが、この破産管財人は、上の訴えの他にも、経営に関係していた人達に同様の責任を追及する訴えを複数提起しています。これまでどの経営関係者に対する責任も認められていませんが、破産管財人は3月に破棄審に申し立てました。まだまだ、破産手続は続くようです。
新たにビザを取って、また、ペテルブルグにやってきました。
思っていたより暖かく(マイナス15度から0度)、雪が少なくて驚きました。2か月の間に近所の様子も若干変化し、ベジタリアン・カフェがなくなっていたのはショックでした。公共交通機関の値段も変わり、バスが16ルーブルから18ルーブルに値上がりしていましたが、為替も変動したので16ルーブル(当時、約80円弱)が18ルーブル(現在、約50円強)になりました。
ベジタリアン・カフェ:http://kie.blogsome.com/2008/10/02/p309/Single entry to and single exit from bankruptcy proceedings
12月、またまた大阪で作業です。カザフスタン、キルギスタン、タジキスタンとウズベキスタンから裁判官や企業法制に関係のある国家機関の職員の方々が来日して、企業法制関連テーマを協議するセミナーが開催されました。今年から始まったセミナーですが、ウズベキスタンで倒産法プロジェクトに従事していたときから各国の関係機関を訪れる等々立上準備に関わってきたので、その延長で第一回目のセミナーにも参加してきました。詳細は、いずれ、法務省のICDNewsで報告されると思うので、そちらを参照のこと(http://www.moj.go.jp/HOUSO/houkoku/uzbekistan.html)。
セミナーでは、メイン・テーマではありませんが、各国の倒産法も紹介されました。中央アジア諸国の倒産法については、私は、ウズベキスタン・タジキスタンは入口が一つだけど出口は複数(再建・清算)のいわゆるSingle Gateway型で、一方、カザフスタン・キルギスタンは入口自体がいくつかある複数手続型に分類されるものだと理解していました。しかし、この地域では、業績の悪化した企業が倒産手続を利用して再建するということが稀なため、どうも、倒産手続の申立て=破産手続の申立てと認識されて、申立時にも申立後にも清算か再建かを選択する余地はなく、結局、どの国も、ある意味「Single Gateway (そして Single Exit)」のように感じました。
そして、セミナーの事後処理も済ませた後、定番コースになりつつある大阪→山口訪問で、温泉、秋芳洞、秋吉台、小野田の浜辺でスペイン料理を楽しんできました(http://kieosaka.blogsome.com/2008/12/27/)。
ロシアでも、倒産事件の開始等は指定出版物で公告することが義務付けられおり、今年7月に、日刊ビジネス新聞「Коммерсантъ Kommercant」が公告を掲載する出版物に指定されました。
そんなビジネス新聞ですが、やはり、ウズベキスタンの経済紙同様、星占いがついています。毎日です。「しし座:今日は仕事も家庭も上手くいく」といった非常に曖昧なもので、誰も読んでなんかいないわよ、とある人は話していましたが、図まで入っています(どう理解するのかわからない図ですが)。
ウズベキスタンのビジネス占い: http://kie.blogsome.com/2006/09/27/business-horoscope/
一年振りにカザフスタンを訪問し、カザフ側関係者の対応が変わっていたことよりも、エア・アスタナ航空の機内食にチョコレートがついていなかったことが気になりました。
私にだけつかなかったのかどうか、隣の人のものを確認しなかったので不明です。
2007年9月のAir Astanaの機内食:http://kie.blogsome.com/2008/03/31/air-astana/
今回、満足度が一番高かったのは、ペテルブルグからモスクワに向かう途中、1時間15分の飛行時間内に出されたラッシーヤ航空の機内食です。
サンドイッチというと、真ん中にちょっとしか具が入っていないことが多いのですが、このサンドイッチはカレー味の美味な具が沢山入っていました。
暖かい紅茶、ヨーグルト、チョコレート・バーもついていました。
モスクワからカザフスタンに飛んだトランスアエロ航空の機内食です。
既に上記サンドイッチを食べた上に空港でも軽食を取っており、さらに、この便は、モスクワ真夜中0時05分発、アスタナ朝5時25分着(モスクワ時間で3時25分着)で、到着した朝から夕方まで仕事が入っていたので、食べるよりも、3時間程度の飛行の間に少しでも多く睡眠をとるべきではあったのですが、食い意地は抑えられませんでした。

アルマティからモスクワに戻るトランスアエロ航空の機内食です。
牛、鶏と魚の中から選べました。
丸いパンの他に、黒パンもついているところが、ロシアの航空会社らしいなと思いました。
周りの人は、黒パンに副菜とチーズをのせて、ブッテルブロート(бутерброд)として食べていました。
モスクワ・ペテルブルグ間のラッシーヤ航空の機内食も、行きのようなサンドイッチを期待していたのですが、別のサンドイッチでした。
チョコレートが、偶然にも、トランスアエロ航空で出されたものと同じ「Алёнка」でした。
これ以来、スーパー等で、このチョコレートを見るとカザフスタン出張を思い出します。今回のカザフスタン行きには、ペテルブルグ・モスクワ間はロシアの航空会社「Россия Rossiya (FV)」、モスクワ・カザフスタン間はロシアの航空会社「Трансаэро Transaero (UN)」、カザフスタン内の移動はカザフ航空会社「Эйр Астана Air Astana (KC)」を利用しました。ペテルブルグ→モスクワ(Домодедово Domodedovo)→アスタナ→アルマティ→モスクワ(Шереметьево1, Sheremetivo 1)→ペテルブルグです。
ラッシーヤ航空(FV)は、ペテルブルグに本社を置き、ペテルブルグのプルコボ空港を拠点とする航空会社です。2006年10月に、ペテルブルグ拠点の連邦国家航空企業「プルコボ」(ФГУАП «Пулково»、1932年設立)とモスクワ拠点の国家運輸会社「ラッシーヤ」(ГТК «Россия»、1956年設立)が合併してできました。法人形態は連邦国家単一企業体で、正式名称は「ラッシーヤ国家運輸会社」でしょうか。ロシア語だとФедеральное государственное унитарное предприятие «Государственная транспортная компания «Россия»»、英語だとFederal State Unitary Enterprise «State Transport Company «Russia»»です。「連邦国家単一企業体」は略して「ФГУП」と表記されることもあります。また、「単一企業体」は、所有一元企業や独立採算制企業と訳されることもあり、日本人には馴染みの薄い法人形態です。
ペテルブルグのプルコボ空港を拠点とするだけあって、プルコボ空港の一番端に、ラッシーヤ航空専用の出発・到着ロビーがあります。見つけるのに手間はかかりましたが、混雑が少なく便利でした。
一方、トランスアエロ航空(UN)は、1990年9月に設立されたロシア初の民間航空会社で、現在、国際線を有する飛行機会社としてはロシアでは第二の規模だそうです(一番はアエロフロート航空です)。法人形態は公開型株式会社で、正式名称は「トランスアエロ航空会社」です(Открытые акционерные общества «Aвиационная компания «Трансаэро»»、Joint Stock Company ««Transaero» Airline» )。
ところで、アエロフロート航空(ОАО «Аэрофлот»)はよくロシアの国営航空会社と言われますが、法人形態は通常の公開型株式会社です。会社の株式の51.17%を国が所有しています(2007年待末時点)。
ロシアでは国が絡む会社は、法人形態としては単一企業体又は株式会社として設立され、それぞれ単一企業体法、株式会社法で規制されていますが、最近は、第三の形態である「国家企業(государственная корпорация state corporation)」が増えてきています。設立にあたっては、その地位等を定めた個別の法律が採択されます。これまた国営企業や国策企業と称されることのあるロステクノロジー(Ростехнологии)は、2007年11月に設立された「国家企業」です。なぜ、単一企業や株式会社のほかに、国家企業という形態が重宝されてきているのかについては、またいつか。
トランスアエロ社日本便:http://kie.blogsome.com/2008/09/29/p308/
機内食:http://kie.blogsome.com/2008/09/21/meals-on-board/
プロコヴォ空港:http://kie.blogsome.com/2009/05/28/pulkovo-airport-in-st-petersbourg/
モスクワからウラル地方のペルミに飛んだ飛行機が落ちた翌日、モスクワを経由し、ウラル地方の上を通って、カザフスタンに行ってきました。ちょうど一年振りでした。
写真は、アスタナの最高裁判所の入口から撮ったものです。家に戻ってきて、カザフスタンで撮影した写真のうち、食べ物ではないものは、この一枚だけであることに気がつきました。
2007年9月:http://kie.blogsome.com/2007/09/
2007年3月:http://kie.blogsome.com/2007/03/
カザフスタン最高裁判所の外観:http://kie.blogsome.com/2007/09/30/economic-disputes-in-cis/
Japanese bankruptcy regimes are extremely behind the times!?
「破産手続」という本を買いました。2006年にサンクトペテルブルグで出版された本です。2002年に成立した新しいロシア倒産法の中の清算型手続についての本で、前半部分をちらちらと立ち読みしていた時は買う気にはならなかったのですが、後半の国際倒産や外国の清算型倒産制度についての解説を読んで、ある意味面白いなと思って購入しました(*ロシアでも倒産に関する各種手続は「倒産法」に規定されており、破産法といった個別の法律はありません。)。
外国制度としては、CIS諸国(アゼルバイジャン、カザフスタン、モルドバ、トルクメニスタン)の他、多数のヨーロッパ諸国、そして、アメリカ、イスラエル、モンゴル、日本の手続までも紹介されています。トルクメニスタンを挙げて、何故、ウズベキスタンの紹介はないのかと思ったら、脚注に、「ベラルーシーとウズベキスタンの倒産制度は、若干、用語が異なるだけでロシア法制と類似しているので、法令を引用するに留めるが、それで十分と思われる。」と指摘され、ウズベキスタンについては「1998年」倒産法(1999年、2000年に一部改正)が引用されていました。ウズベキスタンの2003年倒産法も、ロシアの2002年倒産法に非常に似ているので、解説を省略しても問題はないかもしれませんが、2002年ロシア倒産法を取り上げて2006年に出版した本であれば、せめて、ウズベキスタンの「2003年」倒産法を指摘してもらいたかったです。いつか、機会があれば、注釈書だってあるんです、と言いたいです。
ちなみに、日本の破産法も旧法が取り上げられていました。日本の倒産法制全体については、1922年の破産法の他、1952年に会社更生法が採択されたとの説明で止まっており、化石のような法制と勘違いされてしまうのではないかと思いましたが、日本に限らず、イギリスの近年の倒産法制改正にも言及されておらず、全体的に、他国法制は最新の法令に基づいていないようでした。
ウズベキスタン倒産法:http://kie.blogsome.com/2007/02/19/bankruptcy-law-of-uzbekistan/
ロシアや中央アジアの倒産法和訳:http://kie.blogsome.com/2009/03/19/
Lions garding the Constitution

郵便局に行った帰りにネバ川沿いを歩いていたら、ライオン像に出会いました。
なんの建物かと思ったら、憲法裁判所でした。
お隣の建物の方が重厚で威厳があるなと思ったら、あの「ガスプロム社」の建物でした。
憲法裁判所正面玄関:http://kie.blogsome.com/2009/05/15/constitutional-court/
流れ流れて、今度は、ロシアの北の都、サンクトペテルブルグに来ました。
こんな歳になって、仕事でもなく英語圏でもなく、語学から勉強しようというのは無謀ですが、この10年間いろいろとあって先延ばしにされ、やっと、実現しました。
サンクトペテルブルグは北にあるだけあって、夏の現在、日が長く、そして、とにかく寒いです。
15度の夏なんて、夏ではないようです。
また、オイル・バブルだけあって、物が高いです。
私の世界は全て食を基準としているので、ここでは食べ物が高いという意味です。地下鉄などの公共交通機関は、東京より安いです。
中央アジア諸国の法律は似ているのか。17年ほど前までは同じ法制にあったのだから似ていてもおかしくはないのですが、中央アジア諸国の企業法制、担保法制、倒産法制を調べていて、ちょっと引っ掛かったことが二点ありました。
一点目は、未だにCIS諸国の国会間委員会により「モデル法」が策定されていることです。
ソ連邦が崩壊し、各国が独立した直後に、民法といった市場経済に必要な基幹法律についてモデル法が策定されたことは、よく理解できます。しかし、ソ連邦崩壊から15年以上経っても、執行手続のモデル法が成立したり、企業関連のモデル法が改正されたりしています。中央アジア各国におけるモデル法の採用率・参考度ははっきりはわかりませんが、近年も、委員会メンバーでもないウズベキスタンもモデル法を参考にしていたり(モデル法を参考にしたロシア法を参考しているようにも思いますが)、カザフスタン国会があるモデル法の第一草案を起案していたりします。
二点目は、特に中央アジア諸国の法律は似てる似てると外野は指摘していますが、案外、当の本人たちは隣国の法律を意識していないように思える点です。
もう2年も前のことですが、キルギスで倒産法に関するセミナーに参加した時(http://kie.blogsome.com/2006/07/15/)、キルギスの管財人から「ウズベキスタンの倒産法ってどんな法律ですか」と質問を受け、この3月にも来日していたキルギスの司法省職員に「倒産法だって、ウズベキスタンもキルギスも似ているでしょ?」と言われました(私は、ウズベキスタンとキルギスの倒産法は似ていないと思っています)。地続きで、両国とも法令はロシア語でも出されているので、お互いの法律の概要は知っているものだと勝手に思っていたので、少し驚きました。書籍やインターネットが発達しているわけではないので、無理もないと言えば無理もないのですが、タジキスタンでも、法整備を支援しているアメリカ援助団体から、タジキスタンの立法関係者が特に近隣諸国の法律に興味があるわけではない、と聞きました。
特に足並みを揃えるつもりがない中央アジア諸国にとって、モデル法はどのような役割を果たしているのでしょうか。http://kie.blogsome.com/2007/02/19/bankruptcy-law-of-uzbekistan/
“Jurist” features Japanese technical assistance in the legal field
遂に商業誌で、法整備支援が取り上げられました。法律雑誌Juristの2008年6月15日号「特集 アジアにおける法整備支援と日本の役割」です。多くの関係者が10年以上も法整備支援を続けてきた結果です。昨今、政府内でも「法整備支援」が話題となったり、大学でも法整備支援の講義があったりと、関心が高まっていることが感じられます。
ちょうど、上記特集の記事を執筆された方々や以前現地や国内で活動されていた裁判官等にお会いしましたが、この特集は大きな一歩ではあるものの、これまでの、また、現在の法整備支援全てを語っているわけではない、「支援の視点」という点でも語られていないことが多いとのことで、今後も、様々な場所で媒体で、様々な関係者により、日本の法整備支援が語られるようになることを期待しています。
また、Juristが、この号だけ販売部数が少なかったということにならないことを切に祈っています。
日本の法整備支援:http://kie.blogsome.com/2006/11/18/
Experts of technical assistance in the legal field
法整備プロジェクトは、現地に長期専門家が配置されて実施されることが多いです。http://kie.blogsome.com/2006/11/18/oda-in-the-legal-field/に記載したように、長期専門家のバックグラウンドも様々で、2年前後の任期が終了すると、それぞれの世界に戻っていきます(10年も現地で活動されている長期専門家もおられますが)。大学教授であれば大学の教壇に、裁判官であれば法廷に。プロジェクト管理を担当する専門家であれば、法整備支援ではないプロジェクトに移っていく方もいます。再度、長期専門家になるということはないようですが、弁護士や大学教授であれば、長期専門家の経験を次のプロジェクトに生かすため、何らかの形で法整備支援に関わり続けることがありますし、法整備支援を本職にした方もおられます。しかし、裁判官や検察官は、カンボジアやベトナムから戻ってくると、例外的な方もいますが、法整備支援とは無縁になるようです。
久しぶりに、このような元長期専門家の方々とお会いし、現地でやり遂げたこと、やり残したこと、法整備支援とは全く異なる現在の仕事のこと等々の話で盛り上がりました。


中央アジアからは離れて、東ティモールの話です。
この3月に、法整備支援を課題として東南アジアや中央アジアの諸国から若手の法曹等が集まり3つのセミナーコースが開催されました。ベトナム、カンボジア、ラオス、モンゴル、中国、インドネシアと、日本の法整備支援では顔なじみの国々が参加する中、「!」と思った参加国がありました。それが、東ティモールです。
正式名称は、東ティモール民主共和国で、2002年5月にこの国名でインドネシアから独立したばかりの国です。日本がこれまで法整備支援をしてきたことがなかったことも「!」の理由ですが、さらに、ウズベキスタンで知り合った方が、現在は東ティモールで働かれるようになり、ちょうど東ティモールについての話を聞くようになっていたからです。
その方曰く、食環境は、東ティモールの首都ディリの方が、タシュケントよりはいいとか(写真)。確かに、タシュケントでは魚料理は豊富ではありませんが、青い魚の料理ですか・・・。
Finally, the English comentary came out..
難産の末、タシュケントで、最後の注釈書(英語版)が完成しました。
Uzbekistanが、「Uzbekiston」と印刷されていましたが。
At long last, the English edition of the commentary to Bankruptcy Law of Uzbekistan is now here, and my 3 year old task is all over.
The electronic data is available in each of four languages:
Электронные версии комметария на четырех языках размещены на сайтах:
http://www.ujc.uz/?pid=1210 (in Russian, на русском языке)
http://www.ujc.uz/?pid=1220 (in Uzbek, на узбекском языке)
http://www.ujc.uz/?pid=1349 (in English, на английском языке)http://www.moj.go.jp/HOUSO/houkoku/japanese/commentary.pdf (in Japanese, на японском языке)
