最後の最後まで、何の授業だったのか明確に説明できない授業がありました。予習も復習も難しく、出席しているのも苦痛で、しかし、出席しないという選択も難しかった授業(私はVisitingScholarということで授業登録もなく、どの授業に出るか出ないかは全く自由なのですが)、それは大学院1年生の選択講義の一つ「企業家利益の保護」です。

春学期はどの講座・学科(кафедра)にも手続法の授業がなく、「企業家利益の保護」講義の中で執行や訴訟の話が出てくるのではないかと思い、とりあえず、初回の授業に参加してみました。初回は、ロシアでは誰が法的サービスに従事するかという話で、講義の目的や全体像が理解できなかったので、第二回も出席してみたところ、初回は30名以上いた学生が10名未満になっていました。10名にも満たない出席者の中で外国人の私は明らかに目立ち、いきなり教授に「日本について話してください。」と指名されてしまいました。ロシア語能力の問題もありましたが、それ以上に、講義目的を把握していなかったので、日本の何について話せばいいのか皆目見当もつかず、咄嗟に「後日にしてください。」と答え、そして、何の講義なのかを理解するために出席し続けることになりました。

出席するのが苦痛なのは、毎回、出席者が4・5名程の中、教授が、度々、本筋ではない話題で日本はどう?と私に話しを振ってくるからです。「日本の付加価値税率は」という質問はまだいいとしても、「日本には法的格言はあるか」といった質問まで出てきました。日本に「法的格言」ってあるのでしょうか。

今更、教授に何の講義なのか質問するわけにもいかず、他の生徒に聞いてみたところ、「企業家利益の保護に従事している人・機関」についての講義とのことでした。実際は、教授自身が弁護士(адвокат)としても働いていることもあり、実務経験談が多く、また、大手法律事務所の法律家(юрист)が招かれ自身の仕事を話す回もありました。大学院1年生向けの講義としてはいささか違和感を覚えましたが、ロシアの法律サービス業の実情を知ることができる時もあり、私には興味深かったです(http://kie.blogsome.com/2009/05/25/p396/)。

結局、この選択講義には6名が登録したようです。大学院1年には150名程が在籍し、選択講義の一番人気は「国際仲裁」で、100名程が登録していました。院1年の学生の名前をざっと見たところ、父称のない生徒(おそらくCIS諸国外からの生徒)は1名だけでした。

院の講義:http://kie.blogsome.com/2009/03/08/lectures-at-law-faculty/