2008年12月30日に倒産法が改正され(翌日の31日に公布され施行、http://kie.blogsome.com/2009/03/19/)、特に「おお、これはっ!」と思った改正点があります。ウズベキスタン倒産法の注釈書作成の際、同法の条文自体や、条文とウズベク側参加者の解説が噛み合っておらずよくわからないので、分厚いロシア法注釈書も和訳し日本側参加者はロシア法までも検討しましたが、これもその1つです。それは、ウズベキスタン法では規定されていないものの、ロシア法の内容で所与のものとして語られる、倒産手続に拘束されない債権です(「共益費債権」という訳があてられています。後にロシア法の定義がそのままウズベキスタンの最高経済裁判所総会決議に規定されました)。手続構造が日本とは異なるのでわかりにくいですが、事件開始後に発生した債権、及び、各手続の開始後に履行期が到来した債権が、その倒産手続において手続に拘束されない債権となります。例えば、倒産事件の始まりに適用される監視手続においては、事件開始前に発生した債権であっても監視手続開始後に履行期が到来した債権は、手続に拘束されず履行期の到来時に弁済されます(何らかの理由で期日に弁済されずに、次の倒産手続が始まってしまった場合、次の倒産手続においては当該債権は手続拘束債権とされるようです)。しかし、ロシア法においては、今回の改正で、手続に拘束されるかされないかは、債権の発生が倒産事件の開始の前後かのみで区別されるようになりました。したがって、例えの債権は、監視手続から、手続に拘束される債権となります。
倒産事件の構造:http://kie.blogsome.com/2007/02/19/
日本人にもわかりやすくなり、すっきりした、と思いましたが、代わりに、あんなにロシア法の定義にこだわった、ウズベキスタン法の共益費債権はどうなるのだろうという気掛かりがでてきました。 まさか、同じように改正するということが起こるのだろうか、と。
そして、すっきりしたと思ったのは私だけ?、という出来事も大学院の倒産法セミナーでありました。セミナーで、「債権が発生した時」というのは、契約締結時ではなく、履行期の到来時だという話が出てきたのです(目的物が納入された時点だという人もいましたが)。倒産事件の開始前に発生した債権は、開始時点で履行期が到来したとみなされるという条項(63条3項)も挿入されて、当然、契約締結が事件開始の前後かが基準だろうと思っていたのですが、そのように考えていたのは一人の学生だけでした。彼女が食い下がり、最後に上記条項を見つけ指摘したところ、教授以下「そうかもしれない、考えてみる」ということでセミナーは終了しました。条文からしたら履行期の到来が基準になることはありえず、改正されて3ヶ月も経つのに、「考えてみる」でお開きになり、すっきりしませんでした。
その他の改正:http://kie.blogsome.com/2009/05/01/the-term-of-bankruptcy-proceedings/
