先般、とある授業で日本の株式会社等を含めた会社のことを「Корпорация (Corporationコーポレーション)」と訳して話したら、ロシアで「Корпорация (Corporation)」と言ったら「国家企業 государственная корпорация, state corporation」を意味するので注意した方がいいというような指摘を受けました(*)。諸々紛らわしいので、以下、「国家コーポレーション」と言います。
「国家コーポレーション」は、民法に規定されている会社(хозяйственные общества и товорищества)とも国家単一企業・自治体単一企業(государственные и муниципалные унитарные предприятия)とも異なる法人形態です。民法には「国家コーポレーション」という用語は出てきません。株式会社法や単一企業法のような「国家コーポレーション法」も存在しません。
国家コーポレーションは個別の法律により設立されますが、その根拠は「非営利団体法(Закон о некоммерческих организациях」にあります。1999年に挿入された7.1条「国家コーポレーション」です。この規定は、1999年、信用機関の再編のための機関を既存の法制度に依らない柔軟な構造のものとして設立するために追加されただけあって、設立を定める法律がどうとでもできるようになっています。
国家コーポレーション第二号となる「預金保険機関(Агентство по страхованию вкладов)」は2003年に設立されました(第一号の上記機関は2004年に清算)。続く第三号以下は2007年に雨後の筍の如く現れました。日本でも有名な「ロスアトム(Росатом)」や「ロステクノロギー(Ростехнологии)」がその例です。これらの国家コーポレーションは、こちらの新聞に出てこない日はないくらい活躍していますが、この前までは、昨今の不況で、国がこれらの国家コーポレーションに対し、拠出した財産を戻すよう交渉しているという記事が多く出ていました(国家単一企業・自治体単一企業とは異なり、国が拠出した財産の所有権は国家コーポレーションに移り、「国有財産」としての管理からは離れます)。
預金保険機関:http://kie.blogsome.com/2009/02/04/repay-in-full-in-any-case/
*もっとも、2009年3月に出された民法改正コンセプト(法人)では、株式会社等のいわゆる会社や非営利団体といった「出資・参加」形態の団体をКопорация(Corporation)に分類し、単一企業や基金と区別していました。
