聖書教会が、13年前から、聖書をウズベク語に翻訳するプロジェクトを行っています。当初、13年間で翻訳・出版を予定していましたが、まだ、翻訳が完了していないそうです。ウズベク語聖書の作成に従事され、この1月に13年間の任期を終え帰国された日本人の方によれば、聖書をある言語に翻訳するには、最低でも10年はかかり、真の聖書とするならば、17年はかかるそうです。日本語聖書といえば、旧約・新約合わせて、一冊の本に収まっているので(本来は旧約39巻、新約26巻で66巻と数えるそうです)、翻訳に10年もかけていることに少し驚きましたが、「翻訳」の作業・過程を伺い納得しました。
聖書は、一見シンプルに書かれているようですが、様々な解釈が可能な箇所があり、翻訳に際し、ウズベキスタンの文化や風習を前提に、どの解釈がウズベキスタンではふさわしいのか、受け入れられるのか、又は、そもそも、その解釈を翻訳すべきなのか、それとも、註として記載するのかといったことを検討する必要があるそうです。また、聖書をウズベク語に翻訳する目的が、ウズベキスタンの人に広く聖書を読んでもらうことなので、一部の知識人や限られた人だけではなく、一般の人にも理解できるように、翻訳を熟考するとのことです。したがって、これらのために、ウズベク語はもちろん、ウズベキスタンやウズベク民族の歴史・文化全てを深く理解しなければならず、これだけでも最低3年は必要となるそうです。この話を聞きながら、倒産法の注釈書を出版する自分のプロジェクトが頭に浮かびました。プロジェクトは、ウズ倒産法注釈書を翻訳して日本語版を作成するものではなく、そもそもの注釈書を作成するものなので、ウズベク語聖書の作成とは少し異なりますが、ウズベキスタンというものを理解する必要性に共感したからです。倒産法の注釈を検討するにつき、原文の倒産法だけではなく、民法、担保法、会社法といった関連法令、ロシアを含めたCIS諸国の法令、これらに関連する社会通念までも検討しなければならず、検討しきるには、数年が必要と言っても過言ではないように思います。もっとも、その必要性を感じ自分の勉強不足を反省しながらも、任期13年でウズベキスタンで法整備に従事しませんかと言われたら、引き受けなかっただろうなあと思いました。
